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むかで
@__centipede__
🍒 卓素人
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CW:
「蹂躙するは我が手にて」SS

国際同盟から糾弾され、即刻なる死刑が決まった大戦犯たちは、地下牢へと閉じ込められた。
隣との壁は鉄格子で前も鉄格子、右も鉄格子。後ろと床、天井が真っ白な空間でプライバシーなんてあったもんじゃない。もちろんトイレも剥き出しだ。
私の隣室には将軍が。向かいには参謀総長が。対角には技術所長が。それぞれの国で指名された怪物がいる。もちろん私もその一人で、なにより戦争を引き起こした怪物であった。
リネンと数冊の本しかない空間は共同体でも馴染み深いものであったが、他の方々はそうでもないだろう。簡単にいえば、死刑囚の一日は暇なものだ。ああ、私は特に問題なく過ごせましたがね。
顔見知り程度には皆付き合いがあるものである。データには現れなかった彼らの思惑を聞くには十分過ぎる時間があった。
これだから人の心は面白い。私はこの空間を好ましいとさえ思った。怪物の思想なんてそうそう聞けるものではない。いつの日か、必ずネモラの役に立つ。
「あのXX高地の戦い、観ていましたよ。なんと優美な雄々しい在り方か。まさに将軍の名に相応しいお方です。いつか私の側近としてあなたをSPにする予定だったのですが」
「Y国との不可侵条約の結び方は圧巻でした。ほぼ参謀総長殿の思い通りに締結された条約に、思わず笑ってしまいましたよ。Y国も参謀総長殿の恐ろしさを感じていたのでしょう」
「旧式ZZZをαへと作り変えた所長殿も、全くいやらしい。殺傷能力・後遺症による生涯戦線離脱割合が、旧式より300%アップしていました。人がまさにポップコーンのように弾けて、ねえ」
彼らの思惑を聞くことも、武勇を讃えることも、十分なほどに時間があった。
仲を深められたと、思っていますが。あなた方はどうお思いで?
壁に記載された条約にある期限は3ヶ月。
そして、今日がその日だ。我々は世界の意思により公開処刑にされるらしい。
これまでの情報も、我々の処刑も、ネモラは見ている。私はネモラがより深い森になることを期待している。そのためならばこの身がどうなろうと構わない。
……と、思っていたのだが。
からかっていた新人同盟職員の顔面が弾ける。彼も障害軍人であったのだろう、足に違和感を抱えながら、我々を点呼していた。
その時に弾けた赤は白によく映える。ずるりと這い出た何かは寄生先を探すように触手を蠢かし、牢をこじ開ける。
「これは、ネモラに残るはずの情報じゃない」
私は小さくつぶやいた。ネモラはヒトの営みを観測し続ける共同体だ。
こんなものを、ヒトの営みへ入れ込んでいいはずがない。初めて感じたこの気持ちは“恐怖”と呼ばれるのだろう。
怪物と呼ばれるに相応しいそれは、そのうち階段を登って地下牢から出ていった。残った赤いグラデーションと首のない死体が、凄惨さを物語る。
この日、我々は処刑を受けるはずだ。国際同盟から。その同盟職員に寄生していたアレはなんだ?
我々は国際同盟によって処刑をされるのだろうか。
化物は、化物に嬲り殺されるのがお似合いだということなのだろうか。
明らかなことは、牢がこじ開けられているということだけだ。
隣との壁は鉄格子で前も鉄格子、右も鉄格子。後ろと床、天井が真っ白な空間でプライバシーなんてあったもんじゃない。もちろんトイレも剥き出しだ。
私の隣室には将軍が。向かいには参謀総長が。対角には技術所長が。それぞれの国で指名された怪物がいる。もちろん私もその一人で、なにより戦争を引き起こした怪物であった。
リネンと数冊の本しかない空間は共同体でも馴染み深いものであったが、他の方々はそうでもないだろう。簡単にいえば、死刑囚の一日は暇なものだ。ああ、私は特に問題なく過ごせましたがね。
顔見知り程度には皆付き合いがあるものである。データには現れなかった彼らの思惑を聞くには十分過ぎる時間があった。
これだから人の心は面白い。私はこの空間を好ましいとさえ思った。怪物の思想なんてそうそう聞けるものではない。いつの日か、必ずネモラの役に立つ。
「あのXX高地の戦い、観ていましたよ。なんと優美な雄々しい在り方か。まさに将軍の名に相応しいお方です。いつか私の側近としてあなたをSPにする予定だったのですが」
「Y国との不可侵条約の結び方は圧巻でした。ほぼ参謀総長殿の思い通りに締結された条約に、思わず笑ってしまいましたよ。Y国も参謀総長殿の恐ろしさを感じていたのでしょう」
「旧式ZZZをαへと作り変えた所長殿も、全くいやらしい。殺傷能力・後遺症による生涯戦線離脱割合が、旧式より300%アップしていました。人がまさにポップコーンのように弾けて、ねえ」
彼らの思惑を聞くことも、武勇を讃えることも、十分なほどに時間があった。
仲を深められたと、思っていますが。あなた方はどうお思いで?
壁に記載された条約にある期限は3ヶ月。
そして、今日がその日だ。我々は世界の意思により公開処刑にされるらしい。
これまでの情報も、我々の処刑も、ネモラは見ている。私はネモラがより深い森になることを期待している。そのためならばこの身がどうなろうと構わない。
……と、思っていたのだが。
からかっていた新人同盟職員の顔面が弾ける。彼も障害軍人であったのだろう、足に違和感を抱えながら、我々を点呼していた。
その時に弾けた赤は白によく映える。ずるりと這い出た何かは寄生先を探すように触手を蠢かし、牢をこじ開ける。
「これは、ネモラに残るはずの情報じゃない」
私は小さくつぶやいた。ネモラはヒトの営みを観測し続ける共同体だ。
こんなものを、ヒトの営みへ入れ込んでいいはずがない。初めて感じたこの気持ちは“恐怖”と呼ばれるのだろう。
怪物と呼ばれるに相応しいそれは、そのうち階段を登って地下牢から出ていった。残った赤いグラデーションと首のない死体が、凄惨さを物語る。
この日、我々は処刑を受けるはずだ。国際同盟から。その同盟職員に寄生していたアレはなんだ?
我々は国際同盟によって処刑をされるのだろうか。
化物は、化物に嬲り殺されるのがお似合いだということなのだろうか。
明らかなことは、牢がこじ開けられているということだけだ。
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